google-site-verification: google6166a85729186420.html

ゆる読。

気が向いたときに小説やらの感想を残すブログ。ほっこり系、ミステリが主。

小説

じめっとして、どろっとして、まとわりつく|小説『私の男』

あらすじ 落ちぶれた貴族のように、惨めでどこか優雅な男・淳悟は、腐野花の養父。孤児となった10歳の花を、若い淳悟が引き取り、親子となった。そして、物語は、アルバムを逆から捲るように、花の結婚から2人の過去へと遡る。内なる空虚を抱え、愛に飢えた…

各章、集中して最後の一文まで読み込んで|小説『儚い羊たちの祝宴』

あらすじ 夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、四年目にはさらに凄惨な事件が。優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。甘美な…

美味しいパンと、コーヒーと、月浦の月をいただきに|小説『しあわせのパン』

あらすじ 北海道洞爺湖畔の静かな町・月浦に、りえさんと水縞くんの営むパンカフェ「マーニ」があった。実らぬ恋に未練する女性・香織、出ていった母への思慕から父親を避けるようになった少女・未久、生きる希望を失った老夫婦・史生とアヤ……さまざまな悩み…

想い続けることは夢か狂気か|『神様のボート』

あらすじ あたしは現実を生きたいの。ママは現実を生きてない。消えたパパを待って、あたしとママはずっと旅がらす……。恋愛の静かな狂気に囚われた母と、その傍らで成長していく娘の遥かな物語。昔、ママは、骨ごと溶けるような恋をし、その結果あたしが生ま…

淡々としているけど不思議な読後感|小説『旅のラゴス』

あらすじ 旅をすることがおれの人生にあたえられた役目なんだ。集団転移、壁抜けなど不思議な体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅を続ける男・ラゴスの目的は何か?北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償と…

”見えない顔”を想像して読みたい|『昨年の冬、きみと別れ』

あらすじ ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は二人の女性を殺した罪で死刑判決を受けていた。だが、動機は不可解。事件の関係者も全員どこか歪んでいる。この異様さは何なのか? それは本当に殺人だったのか? 「僕」が真相に辿り着…

手書き文字の雄弁さ|小説『ツバキ文具店』

あらすじ ラブレター、絶縁状、天国からの手紙…。鎌倉で代書屋を営む鳩子の元には、今日も風変わりな依頼が舞い込む。伝えられなかった大切な人への想い。あなたに代わって、お届けします。(Amazonより) ツバキ文具店 (幻冬舎文庫) 作者: 小川糸 出版社/メ…

きれいなんだけど、引っ掛かりなく終わってしまった|『鏡の花』

あらすじ もしも大切な人がいなかったら、どんな人生を送るのか? 身近な誰かが欠けてしまったパラレルな六つの世界が呼応し合い、眩しく美しい光を放つ。緻密な構成が輝く、著者渾身の意欲作。(Amazonより) 鏡の花 (集英社文庫) 作者: 道尾秀介 出版社/メ…

物語の力強さに軽く目が回る|小説『三月は深き紅の淵を』

あらすじ すべてが謎めいた1冊の本はどこに?鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に2泊3日の招待を受けた。彼を待ち受けていた好事家たちから聞かされたのは、その屋敷内にあるはずだが、10年以上探しても見つからない稀覯本(きこうぼん)…

一人だから、つながりたくなる|『ぶらんこ乗り』

あらすじ ぶらんこが上手で、指を鳴らすのが得意な男の子。声を失い、でも動物と話ができる、つくり話の天才。もういない、わたしの弟。――天使みたいだった少年が、この世につかまろうと必死でのばしていた小さな手。残された古いノートには、痛いほどの真実…

バカで下品な青春!|『レヴォリューションNo.3』

こんなあなたに なんとなく過ごしている毎日に、刺激が欲しい 男子たちがわちゃわちゃしている姿にほっこりする 10代の頃のテンションが懐かしい レヴォリューション No.3 (角川文庫) 作者: 金城一紀 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング 発売日: 2…

四季の移ろいと恋心|小説『喋々喃々』

こんなあなたに 最後に恋をしたのって、いつだったっけ 下町の食べ歩きとか大好き 四季の移り変わりや、地元の昔からの風習を大事にしていく、丁寧な暮らしに憧れる ([お]5-2)喋々喃々 (ポプラ文庫) 作者: 小川糸 出版社/メーカー: ポプラ社 発売日: 2011/04…

幼い頃の宝物、覚えてますか|『誰も知らない小さな国』

こんなあなたに 子供の頃、自分だけの秘密基地があった 生まれ育った里山の風景を、今でも時折思い出す そういえばこの本、昔読んだな。久々に読んでみようかな 自分の子供に、読書体験の素晴らしさを伝えたい コロボックル物語1 だれも知らない小さな国 (講…

家族のルーツをたどるスパイス香る物語|『カレーライフ』

こんなあなたに ロードムービーが好き お盆や年末年始、親戚みんながおばあちゃんちに集まって、よくいとこたちと遊んだなあ 「読む」料理って堪らないよね(そんなあなたはこちらもおすすめ ⇒小説「しあわせのパン」三島有紀子/ポプラ文庫 ⇒小説「食堂かた…

不思議は雨と地続きに|『家守綺譚』

こんなあなたに 梅雨の時期のおこもり本を探している ふと目に入ったつくしや、ある日突然に香るキンモクセイなど、五感で四季の移ろいを感じ取る 伝記や伝承など、土地に脈々と受け継がれた物語や文化、歴史は、今もこれからも大切にしていきたいと思う 家…

ただただ、跳びたいときは飛び跳ねるだけ|小説『トリツカレ男』

こんなあなたに 何かを始めるときの、一歩踏み出す勇気が欲しい 素敵な人しか出てこない話が読みたい 肩ひじ張らずに読める、大人の童話を探している トリツカレ男 (新潮文庫) 作者: いしいしんじ 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2006/03/28 メディア: 文…

世界観が病みつきになる妖しくも美しい学園譚|小説『麦の海に沈む果実』

こんなあなたに 多感な少年少女と閉鎖空間が生み出す学園ものの雰囲気が好き ミステリアスな転校生に憧れた ”昔の記憶がすっぽり抜け落ちていて、今の自分と昔の自分は全く違う人格だったのでは”と妄想したことがある たたみ込むような謎に溺れたい 麦の海に…

重たいもの、一回降ろしてみませんか|小説『うつくしい人』

こんなあなたに 何かは分からないけど、何かにいつも縛られている気がして息苦しい 誰かの目を気にせずには自分の行動を決められない、気にしたくないけど怖くて結局自分を変えられない (そんなあなたにはこちらもおすすめ ⇒「コンビニ人間」村田沙耶香/文…