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ゆる読。

気が向いたときに小説やらの感想を残すブログ。ほっこり系、ミステリが主。

ほろり

普通と特別の間でもがくすべての大人たちに|小説『田舎の紳士服店のモデルの妻』

図書館で、たまたま見つけたタイトル <田舎の紳士服店のモデルの妻> ダサさと自尊心が絶妙なバランスで込められたその単語の組み合わせが妙に気になって手に取ってみた。 都会育ちで美人、やり手営業マンと結婚して専業主婦となった梨々子が、夫の地元に移り…

アンディとの宝物のような時間を見事にウッディの次の人生へ昇華させた|映画『トイストーリー4』

公開直後、ヤフーレビューが大荒れした、ということだけ小耳に挟んでいたことにより、もし自分もがっかりする内容がどうしよう。。。とずっと二の足を踏んでいた本作。 結論、 傑作でした。 いやもう、声を大にして言いたい。 トイストーリーは、4を持って結…

未来を形作るのは今このとき|小説『流星ワゴン』

黒い背景に小さくぽっかりと浮かぶ月、左下にはガソリンスタンドの看板。 文庫本の表紙にはたったそれだけしか描かれてないけど、むしろそのそっけなさから深夜の独特の静けさや寂しさが伝わってくるようで、妙にその時の気分にしっくりときた。 そんなわけ…

ハダカの心で互いに向き合う|映画『最強のふたり』

最強のふたり [DVD] 発売日: 2019/02/02 メディア: DVD のっけのシーンからグッと心を掴まれた。 夜の道を、2人の男性がドライブをしている。運転してるのは黒人の若者、助手席に座るのは白人の老齢男性。 白人男性は、硬い表情で流れる街並みを無言で眺めて…

世界に宿る命との会話|小説『ミ・ト・ン』

舞台は、ラトビア共和国をモデルにした架空の国、ルップマイゼ共和国。 ルップマイゼ共和国の人々は、クリスマスツリーに使うための木を切り倒すときには必ず木の神様にお祈りをする。 家族皆が大好きな黒パンのレシピは、杵とともに母から子へ受け継がれ、…

このせかいの、ほんとうのことについて|『麦ふみクーツェ』

主人公は、からだがとても大きな「ぼく」。ねこのなきまねがほんものそっくりだから、「ねこ」と呼ばれている。 彼は、おじいちゃんがティンパニストとして街の楽団を引っ張っていて幼い頃から音楽に馴染んできたことから、いつしか音楽の道を志すように。 …

塾経営を通じた家族の悲喜交々|小説『みかづき』

あらすじ 昭和36年。放課後の用務員室で子供たちに勉強を教えていた大島吾郎は、ある少女の母・千明に見込まれ、学習塾を開くことに。この決断が、何代にもわたる大島家の波瀾万丈の人生の幕開けとなる。二人は結婚し、娘も誕生。戦後のベビーブームや高度経…

気軽に 見れて、作り手の想いもしっかり心に残る|映画『超高速!参勤交代』

あらすじ 江戸期、八代将軍・徳川吉宗の時代。1万5千石の小藩・磐城国湯長谷藩に存在するという金山略奪を狙い、江戸幕府が無理難題を吹っ掛ける。「5日以内に参勤交代しなければ、藩を取り潰す! 」。金も時間もない湯長谷藩。参勤交代を果たし、無事に藩を…

手書き文字の雄弁さ|小説『ツバキ文具店』

あらすじ ラブレター、絶縁状、天国からの手紙…。鎌倉で代書屋を営む鳩子の元には、今日も風変わりな依頼が舞い込む。伝えられなかった大切な人への想い。あなたに代わって、お届けします。(Amazonより) ツバキ文具店 (幻冬舎文庫) 作者: 小川糸 出版社/メ…

きれいなんだけど、引っ掛かりなく終わってしまった|『鏡の花』

あらすじ もしも大切な人がいなかったら、どんな人生を送るのか? 身近な誰かが欠けてしまったパラレルな六つの世界が呼応し合い、眩しく美しい光を放つ。緻密な構成が輝く、著者渾身の意欲作。(Amazonより) 鏡の花 (集英社文庫) 作者: 道尾秀介 出版社/メ…

一人だから、つながりたくなる|『ぶらんこ乗り』

あらすじ ぶらんこが上手で、指を鳴らすのが得意な男の子。声を失い、でも動物と話ができる、つくり話の天才。もういない、わたしの弟。――天使みたいだった少年が、この世につかまろうと必死でのばしていた小さな手。残された古いノートには、痛いほどの真実…

バカで下品な青春!|『レヴォリューションNo.3』

こんなあなたに なんとなく過ごしている毎日に、刺激が欲しい 男子たちがわちゃわちゃしている姿にほっこりする 10代の頃のテンションが懐かしい レヴォリューション No.3 (角川文庫) 作者: 金城一紀 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング 発売日: 2…

笑いと涙の絶妙なバランス|映画『グリーンブック』

こんなあなたに ロードムービーが好き おじさん同士の掛け合いに愛おしさを感じる 基本的に一人が好きだけど、今はほんのり、誰かの優しさに触れたい ゆっくりできる週末、映画を見て余韻に浸りたい 【感想キーワード】 友情 悲しみ コミカル グリーンブック…

ただただ、跳びたいときは飛び跳ねるだけ|小説『トリツカレ男』

こんなあなたに 何かを始めるときの、一歩踏み出す勇気が欲しい 素敵な人しか出てこない話が読みたい 肩ひじ張らずに読める、大人の童話を探している トリツカレ男 (新潮文庫) 作者: いしいしんじ 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2006/03/28 メディア: 文…

重たいもの、一回降ろしてみませんか|小説『うつくしい人』

こんなあなたに 何かは分からないけど、何かにいつも縛られている気がして息苦しい 誰かの目を気にせずには自分の行動を決められない、気にしたくないけど怖くて結局自分を変えられない (そんなあなたにはこちらもおすすめ ⇒「コンビニ人間」村田沙耶香/文…

30歳のあなたに…|映画『おとなり』

こんなあなたに見てほしい いつの間にか30歳。だんだんと仕事にも慣れてきたけど、今の日々を繰り返した先って何が残るんだろう、という不安がぬぐえない。 やりたいこと、好きなことはあるはずなのに、行動に移せない自分に焦りを感じる。 リアリスティック…