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ゆる読。

気が向いたときに小説やらの感想を残すブログ。ほっこり系、ミステリが主。

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

雪のように寂しさが降り積もる|小説「密やかな結晶」

だんだんと何かの記憶-例えばカレンダーやオルゴール-が消滅して行ってしまう人たちの物語。 しんしんと雪が降り積もるように、少しずつ何かを失っていく人たちの寂しさが積もっていく。 だけど、記憶をなくしていく人たちは誰も泣き喚いたり、怒ったりしな…

太宰治の心の断片に触れる|エッセイ「もの思う葦」

太宰治が執筆活動を始めて間もなくから、彼が亡くなる前年までの間に各所に投稿された随筆をまとめたエッセイ集。 正直、読み始める前の太宰治イメージといえば 人間失格(大分前にうっすら読んだ やたら心中を試みている やたらいろんな女性にちょっかい出し…

魍魎とは境界なのだよ|小説『魍魎の匣』

昨年に続き、自分の中で夏季休暇の恒例となりつつある京極夏彦「百鬼夜行」シリーズ第2弾。 この厚み。 一般的な単行本3〜4冊分はあるであろうこのボリューム感だけど、冒頭1ページから最後のページまでほんとにずっと面白い。 信者から「汚れた金銭を浄化す…

大きすぎる危機は、足元まで来ないと気付かない|小説『小さいおうち』

東京の裕福な家庭で女中として働いていた「タキ」が、晩年に当時の暮らしの記憶を辿るお話。タキにとって、最も深く忠義を尽くした「平井家」での日々が綴られる。 ものすごく不可解な事件が起きたり、泥沼の愛憎劇があるわけではない。 あくまで、タキの女…

実はサンドイッチがめちゃ美味しそう|小説『それからはスープのことばかり考えて暮らした』

大好きな吉田篤弘さん作『つむじ風食堂の夜』の舞台、月舟町の隣の町でのお話。 主人公は町に引っ越してきた青年、大里くん。 映画を見るのが好きすぎて、うっかり仕事も辞めてしまい、大好きな映画館「月舟シネマ」のある月舟町の隣町へ住みついた。 人のい…

人生楽しんだもん勝ち|漫画『腐女子のつづ井さん』

オタク活動に日々勤しむ20代女性:つづ井さんの日々をつづった漫画エッセイ。 このつづ井さんの、「推し」という存在を通じて生きる活力を自らの手でクリエイトしまくる姿にハマってしまい、『腐女子のつづ井さん』2巻、3巻も即買いし、さらには続編の「裸一…