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ゆる読。

気が向いたときに小説やらの感想を残すブログ。ほっこり系、ミステリが主。

淡々としているけど不思議な読後感|小説『旅のラゴス』

あらすじ

旅をすることがおれの人生にあたえられた役目なんだ。

集団転移、壁抜けなど不思議な体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅を続ける男・ラゴスの目的は何か?

北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償として、人びとが超能力を獲得しだした「この世界」で、ひたすら旅を続ける男ラゴス。集団転移、壁抜けなどの体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅をするラゴスの目的は何か? 異空間と異時間がクロスする不思議な物語世界に人間の一生と文明の消長をかっちりと構築した爽快な連作長編。(Amazonより) 

 

旅のラゴス (新潮文庫)

旅のラゴス (新潮文庫)

 

 なんだろう。

不思議な読後感の小説。

 

主人公のラゴスの青年期から老年期までの旅をつづった物語で、ラゴスの一人称で語られるのだけど、ラゴスがあまりテンションの浮き沈みがない性格というか理性的というか、いい時もやばい時も割と淡々としているので感情移入はそれほどしない。

 

だけど、ラゴス自身の人生と、文明の生き死にという壮大な時間がラゴスの旅を通じてぎゅっと凝縮されていて、読み終えた後にはそのひとしずく分だけ自分の精神の重さもちょっとだけ増えたような、そんな感じ。

 

ラゴスが様々な人と出会い、降りかかる災難を乗り越え、先人が残した膨大な文献を読み漁る

(ここの、ラゴスが超快適な環境下で何年も何年も読書に耽る様はめちゃくちゃ羨ましい)

ことで人として円熟していく様子は、”学ぶ”ということの贅沢さや素晴らしさを教えてくれる。

 

 

すごく好みというわけではないんだけど、今後の人生でスルメ的にたびたび読み返してみたいという意味で★4つ。

 

お気に入り度

★★★★☆