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ゆる読。

気が向いたときに小説やらの感想を残すブログ。ほっこり系、ミステリが主。

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

じめっとして、どろっとして、まとわりつく|小説『私の男』

あらすじ 落ちぶれた貴族のように、惨めでどこか優雅な男・淳悟は、腐野花の養父。孤児となった10歳の花を、若い淳悟が引き取り、親子となった。そして、物語は、アルバムを逆から捲るように、花の結婚から2人の過去へと遡る。内なる空虚を抱え、愛に飢えた…

各章、集中して最後の一文まで読み込んで|小説『儚い羊たちの祝宴』

あらすじ 夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、四年目にはさらに凄惨な事件が。優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。甘美な…

美味しいパンと、コーヒーと、月浦の月をいただきに|小説『しあわせのパン』

あらすじ 北海道洞爺湖畔の静かな町・月浦に、りえさんと水縞くんの営むパンカフェ「マーニ」があった。実らぬ恋に未練する女性・香織、出ていった母への思慕から父親を避けるようになった少女・未久、生きる希望を失った老夫婦・史生とアヤ……さまざまな悩み…

想い続けることは夢か狂気か|『神様のボート』

あらすじ あたしは現実を生きたいの。ママは現実を生きてない。消えたパパを待って、あたしとママはずっと旅がらす……。恋愛の静かな狂気に囚われた母と、その傍らで成長していく娘の遥かな物語。昔、ママは、骨ごと溶けるような恋をし、その結果あたしが生ま…

な~んか面白い映画ないかな~と思ったときにぜひおすすめ|映画『鍵泥棒のメソッド』

あらすじ 人生が入れ替わってしまった二人の男と婚活中の女性が巻き起こす、誰もが楽しめる喜劇を描く。先の読めない展開と意外でかつ爽快感の残るラスト、様々な場所に仕掛けられた笑い等、映画の醍醐味をすべて織り込んだ脚本の完成度は健在。(Amazonより…

つまんない日常でもいいじゃない|エッセイ『そして生活はつづく』

あらすじ 人でも不良でも、有名俳優でもロックスターでも、誰だって家に帰れば地道な日常がある。 携帯電話の料金を払い忘れても、部屋が荒れ放題でも、人付き合いが苦手でも、誰にでも朝日は昇り、何があっても生活はつづいていく。 つきまとう劣等感&虚無…

気軽に 見れて、作り手の想いもしっかり心に残る|映画『超高速!参勤交代』

あらすじ 江戸期、八代将軍・徳川吉宗の時代。1万5千石の小藩・磐城国湯長谷藩に存在するという金山略奪を狙い、江戸幕府が無理難題を吹っ掛ける。「5日以内に参勤交代しなければ、藩を取り潰す! 」。金も時間もない湯長谷藩。参勤交代を果たし、無事に藩を…

淡々としているけど不思議な読後感|小説『旅のラゴス』

あらすじ 旅をすることがおれの人生にあたえられた役目なんだ。集団転移、壁抜けなど不思議な体験を繰り返し、二度も奴隷の身に落とされながら、生涯をかけて旅を続ける男・ラゴスの目的は何か?北から南へ、そして南から北へ。突然高度な文明を失った代償と…

”見えない顔”を想像して読みたい|『昨年の冬、きみと別れ』

あらすじ ライターの「僕」は、ある猟奇殺人事件の被告に面会に行く。彼は二人の女性を殺した罪で死刑判決を受けていた。だが、動機は不可解。事件の関係者も全員どこか歪んでいる。この異様さは何なのか? それは本当に殺人だったのか? 「僕」が真相に辿り着…

手書き文字の雄弁さ|小説『ツバキ文具店』

あらすじ ラブレター、絶縁状、天国からの手紙…。鎌倉で代書屋を営む鳩子の元には、今日も風変わりな依頼が舞い込む。伝えられなかった大切な人への想い。あなたに代わって、お届けします。(Amazonより) ツバキ文具店 (幻冬舎文庫) 作者: 小川糸 出版社/メ…

きれいなんだけど、引っ掛かりなく終わってしまった|『鏡の花』

あらすじ もしも大切な人がいなかったら、どんな人生を送るのか? 身近な誰かが欠けてしまったパラレルな六つの世界が呼応し合い、眩しく美しい光を放つ。緻密な構成が輝く、著者渾身の意欲作。(Amazonより) 鏡の花 (集英社文庫) 作者: 道尾秀介 出版社/メ…

物語の力強さに軽く目が回る|小説『三月は深き紅の淵を』

あらすじ すべてが謎めいた1冊の本はどこに?鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に2泊3日の招待を受けた。彼を待ち受けていた好事家たちから聞かされたのは、その屋敷内にあるはずだが、10年以上探しても見つからない稀覯本(きこうぼん)…