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ゆる読。

気が向いたときに小説やらの感想を残すブログ。ほっこり系、ミステリが主。

な~んか面白い映画ないかな~と思ったときにぜひおすすめ|映画『鍵泥棒のメソッド』

あらすじ

人生が入れ替わってしまった二人の男と婚活中の女性が巻き起こす、誰もが楽しめる喜劇を描く。
先の読めない展開と意外でかつ爽快感の残るラスト、様々な場所に仕掛けられた笑い等、映画の醍醐味をすべて織り込んだ脚本の完成度は健在。(Amazonより) 

 

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冒頭、メインとなる3人のキャラクターの日常がそれぞれ映し出される。

セリフは少なく、ほんの2~3分程度ずつの場面なんだけど、それだけでもう3人の個性に惹き込まれた。

 

まずは雑誌編集長を務める早苗(広末涼子さん)が、部下たちへこう告げる場面から始まる。

早苗「皆さん、本日はお疲れ様でした。来月のスケジュールを組みましたので、この通りお願いします。それから、プライベートなことなのですが、私結婚することにしました」

メンバー「…あの、お相手は…?」

早苗「まだ決まっていません」

 

…いや斬新。

 

しかし、きちんと婚活事情についてリサーチをかけ、できるだけ短期間のうちに可能性を広げるためにメンバーにも協力を求める早苗に対し、早苗の具体的な目標感を確かめながらきちんと協力を約束するメンバーたち。いい職場だ。

 

このあたりのメンバーとのやり取りや、映し出される早苗のスケジュール帳等から、早苗がとても要領と手際がよく、物事に真摯に取り組む人であるとわかる。

 

そして場面は切り替わり、あるマンション前で停まる車内で、雨合羽を着た男・コンドウ(香川照之さん)が誰かを待っている。

彼はクラシックを聴きながらサングラス・マスク・手袋を身に着け、マンションから出てきた男に近づき、おもむろに腹部を3度突く。倒れ掛かった男はそのまま車のトランクになだれ込む。コンドウはすぐさまトランクを閉め、運転席に戻り、血だらけの雨合羽とナイフを大きなポリ袋にしまう。

その間わずか2分足らず、一つも無駄がなく、それでいて一つ一つの所作が丁寧。事前に周到なシミュレーションがなされたことがうかがえる。

このシーンでも、コンドウの几帳面さと仕事に対するまじめさが伝わってくる。

 

そしてその次に登場するのが、めちゃくちゃ散らかった部屋でなんだか情けなさそうな男・桜井(堺雅人さん)が転倒して仰向けになっている場面。汗だくのその首にはロープがかかっており、起き上がるとともに、汚い机の上に転がっているタバコの箱を漁り、体と気づくとまたクシャっと丸めて机の上に放り投げる。そして財布をひっくり返して出てきたのは、クシャクシャの千円札一枚と小銭が数枚…。

前の2人と比べ、泣きたくなるほどだらしなくて行き当たりばったりな暮らしをしていることがわかる。

 

実はものすごく情報量が多いがそれでいて押しつけがましくなく、すっと観ている者の脳内に入ってくる。絶妙なテンションと間で作られる笑いどころも心地がいい。

 

細かいところまで張られた伏線は、最後にはすっきり回収してくれる。

メインの俳優さんたちは皆、愛すべきキャラクターを違和感なく演じ切ってくれている。

 

最初から最後まで安心して楽しめる映画。

 

お気に入り度

★★★★☆

 

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同じ内田けんじ監督の「そうきたか!」系作品。

 

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もう一つ、邦画「そうきたか!」系でめっちゃ面白かった作品。