厳しくておおらかな自然に生きる|エッセイ『空から森が降ってくる』
表紙の写真とタイトルでジャケ借り(図書館で借りた)。
エッセイって、日々の出来事を書き連ねるというテイでその人の感性、考え方、価値観を世に丸出しにするという、嬉し恥ずかしな形態(著者が本当にそう思っているかどうかは知らない)だと思っていたけど、本書はあくまでも空や森、自然が主役だ。自分はそのうちのほんのちっぽけな一部であり、その世界に間借りして住まわせてもらっている、という著者の自然に対する敬意と畏怖、愛情が詰まったエッセイ。
たくさんの植物の名前が出てくるが、アメリカの植生であることも相まって何一つどんな草花なのかピンとこず、自分の植物リテラシーの低さに悲しくなった。ここの知識がもっとあれば、文章だけでも美しい情景がイメージできて、もっと楽しめたと思う。
あらすじ
アメリカはウッドストックの森に住む小説家が綴る四季の移ろい。美しくも厳しい自然や野生動物との交流、ときに森を飛び出し旅先でのできごとをたおやかな筆致で描き出す。
お気に入り度
★★★☆☆