ベストオブ人生で一度は思いつきたいタイトル|小説『封印再度 who inside』
一度聞けば忘れないそのタイトル
封印再度 who inside
漢字と英字、読み方が同じばかりか、物語の主要な謎をそれぞれ表しておりまさに秀逸。
決して取り出せない鍵が入った壺、天地の瓢と、その鍵がないと開けることができない無我の匣。鍵はどのように取り出し、そしてどうやってまた壺にいれるのか。
そして密室の蔵で死んだ画家。
彼は自殺か他殺か。開かなかった蔵には誰がいたのか。
正直なところ、前者のトリックは面白かったが、後者はかなり強引…。
ミステリのようなものが必ずしもミステリとして成立させる必要はない、という作者の主張が聞こえてきそうだ。
そしてもうひとつ、本作では犀川と萌絵の関係性がまた大きく変化を見せる。
前作は萌絵の幼さが炸裂していたが、今作は2人ともその傾向が強く出ている。
なんかもう、青春マンガを読んでいるようだ。
イラつきを乗り越えて、ほんとにこいつらしょーもないな。。。と生温かい目で見守れるようになりたい。